第三者が運営管理する大規模なデータセンターでデータの収集や処理を行うCloud Computingに対して、現場に近いデバイスでデータの収集や処理を行うEdge Computing。簡単に対比すると、コンピュータのネットワークにおける中央集権か地方分権かということだと思う。
地球上、政治の世界で中央集権というのは時代とともに進んできた。コンピュータの世界でも孤立したスタンドアローンという状態のコンピューティングから、次第にネットワークで繋がり、地球規模で無数のコンピュータ同士が繋がるインターネットが出現した。そして、個々の組織では、大規模なコンピュータネットワークを維持することにコストがかかり手間もかかることから、専業のデータセンターで個々の組織のデータを預かり処理を代行するCloud Computingが一般的になった。
しかし、政治の世界でも中央集権が進みすぎると、国民にとって良からぬことが起きるように、コンピューティングを全てCloud化すると、やはり弊害が起きる。
Cloud Computingの主な弊害は以下の通り。
- 通信に時間がかかりデータ処理した答えが返って来るのに時間がかかる。通信に障害があるとそもそもデータ処理すらできない。
- データ処理の要請が集中すると処理するのに時間がかかる。
- 通信自体にコストがかかる。
- 通信の途中でデータが漏洩する可能性がある。
Edge Computingの利点はその逆になる。
- 通信しない時はリアルタイムにデータ処理できる。
- さまざまなデバイスに入ってくるデータはそれぞれのデバイスで処理されるので、分散されるので、集中されるより負担が分散される。
- 通信コストは削減される。
- 通信の頻度が少ない分、データが漏洩しにくい。または漏洩しても、そのデバイスだけに限られるので、被害が限定される。
実際には、CloudとEdgeを最適に組み合わせることで、システムとして使い勝手が良くなったり、反応が速くなったり、コストが削減されたり、という利点を享受できるだろう。