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米国賃貸用住宅不動産投資(4)

米国の賃貸用住宅不動産投資については、節税という観点から有利な点があることを述べたことがあるが、日本と米国の国としての成長ということを考慮すると、純投資として分散投資の観点からも意味があることを述べていきたい。

米国の不動産の価格をドルベースでみていくと、1987年から2017年時点までで指数の増加約3倍になっているようだ。

対して、日本はどうかというと、1987年ごろ経済バブルの絶頂期から、首都圏マンションの価格指数によれば、指数としては半減しているようだ。

以前にも説明したが、理由として、米国は移民国家であり、現在においても人口が増え続けているので住宅に対するニーズは堅調であること、また経済についても、世界的にプラットフォーマーになるような多くのスタートアップを産み出し続けて経済格差があるにせよ、平均的な収入は増加していることが挙げられる。

日本は人口が減少しはじめ、経済については多くの企業で生産性が上がらず、世の中を変革していくようなイノベーションに関しても、米国、その他の国々に遅れをとっている。

日本における純投資としての不動産への投資は、非常に限定的にならざるを得ない。東京の一部だけ、と考えてよいのではないか。空き家が増えて、地方の過疎化は、このままだと進んでいく。

以上より、住宅不動産に対する純投資という意味では、米国は、いまなお、世界的にみても有望な地域の一つであると言える。

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米国賃貸用住宅不動産投資(3)

投資には、株式、債券、不動産など、さまざまなものがある。その違いについて、簡単に述べたい。

株式の場合、株価が上がれば、株式自体の価値が上がることで、いわゆるキャピタルゲイン(元本の価値が低いときに買って、元本の価値が高くなって売ることで、その差額が利益になる)が得られる。また、加えて、会社の業績がよければ、株主に対する報酬として、配当が得られる。この配当は、会社の業績や、その後の会社の事業への投資などによって、一定とは限らない。元本は保証されないし、配当も保証されないが、会社の業績次第で、上がる可能性も下がる可能性もある。場合によっては、ゼロになる可能性もある。

債券の場合、会社の借金であり、投資家からすると、金を会社に貸しているわけで、会社の業績がどのような状況であれ、それとは関係なく、元本の返済と、元本に対応する通常は一定の決まった利子を受け取る。基本、会社の業績とは関係なく、元本は保証されており、リターンである利子も約束されている。

不動産投資の場合、基本、投資家が不動産という資産を所有し、不動産を貸して賃料・家賃を得る。不動産の状況が良いのか悪いのかによって、賃料・家賃は変動し、また、不動産自体、つまり元本の価値も変動する。また、株式や債券といった、数字でしか見れない金融的な資産と違って、不動産の資産の内容は、土地であったり、建物であったり、ロケーション・所在地ということで、物理的な資産であるので一般の人にも分かりやすい。不動産に投資した場合、賃料が変動する、また修理費などのコストが発生する、などの原因で、どれぐらいのリターンがあるのか若干は変動する。しかし、長期的な元本部分を除くリターンには、株式の配当と比較すると予測しやすく、債券の利子と比較すると予測しにくい。また、長期的な元本部分のリターンについても、 株式のキャピタルゲインと比較すると予測しやすく、債券の元本返済と比較すると予測しにくいと言える。

投資の基本というのは、このようにリターンとリスク(リターンの変動のこと)の組み合わせの中で、さまざまなものに分散して投資することで、自分にとって望ましいリターンとリスクを組み立てていくことにある。株式や債券以外の投資の選択肢として、不動産というのは有効なものである。ぜひ活用したい。

次回は、不動産投資の有利な点、不利な点などを、株式や債券と比較しながら、述べたい。

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米国賃貸用住宅不動産投資(2)

国土の広さで言うと、世界で一番広いのがロシア(世界総陸地面積の11.5%)、その次がカナダ(同6.7%)、3位と4位は味方によって変わるようだが、3位が中国(同6.5%)、4位はアメリカ合衆国 (同6.5%) 。日本は62位(0.25%)。全世界で244ある中である。

人口で言うと、中国が1位で14億人、インドが2位で13億人、アメリカ合衆国が3位で3億人、日本は10位で1億3千万人ぐらい。

割り算すると、人口密度がわかるわけですが、日本は明らかに人口密度が高く、アメリカ合衆国は低い。

国土の広さがあっても、現実住めるところが大きいか小さいかというところも影響するが、アメリカ合衆国はあきらかに一人当たりの土地の広さが大きい。

しかし、実際は土地がいかに広くとも、実際には人間はある程度集まらないと住めないわけで、スーパーマーケットが近くにあって食べるものが買える、仕事がないといけない、電気やガスや下水道ないと困るなどということで、アメリカ合衆国でも、人気のある住める地域というのは限られる。

日本とアメリカ合衆国を比べるのに、今後の人口の増減や、経済の成長ということも考えるべきだ。すると、ほぼ自明だが、日本は人口が今後それほど増えることは考えられず、アメリカ合衆国は移民を制限しても人口は増えていく。また、経済の成長を考えると、これも人口の増減がおおきな影響を及ぼすと考えられるが、日本は安定した低成長、アメリカ合衆国は先進国として平均以上の経済成長といったところではないか。

不動産ということを考えると、土地の値段というのは土地の希少価値によっては、かなり高額な値段の土地というのが存在する。その値段が上がるのか下がるのかは、まったく予想がつかない。

しかし、賃貸物件ということで不動産について考えると、人口の流入であるとか、人々の移動する頻度、人々の所得水準が、賃料に反映される。アメリカ合衆国は、日本に比べて、地域によっては人口が流入する場所もあり、新しいテクノロジーや産業によっては所得が増えるようなスキルをもった人々が特定の場所にあつまることが、日本より顕著だ。

私が住んでいた、1990年代のカリフォルニア州シリコンバレーはまさにそうであった。全米、そして世界中から、技術をもった人材があつまり、またハイテク新興企業がビジネスをはじめ、人材の採用を増やしたことで、不動産価格は高騰し、賃料も6ヶ月ごとに問答無用で改定されて増える状況であった。

シリコンバレーにおいて、かつてほどの不動産価格高騰、賃料増加というのは、いまは見込めないかもしれないが、私の印象では、ハイテク産業は、カリフォルニア州やマサチューセッツ州のみならず、他の地域にも広がっているように思う。

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米国賃貸用住宅不動産投資(1)

私は1989年から1998年までのほぼ10年間をアメリカ合衆国西海岸で過ごし、最後の3年間ほどは、自宅を所有していた。

その自宅はカリフォルニア州の北側にあるサンノゼ市の南、ギルロイ市にあった。

Loganberry Drive, Gilroy, Californiaにあった自宅。
既に1998年に売却。写真はつい最近のもの。

1995年頃、シリコンバレーと呼ばれるサンノゼ市周辺の住宅の価格は全米の中でも、ひときわ高価で、まだ30歳ぐらいであった私には手の届かない価格だった。

また、結婚したあと綺麗な新築のアパートに住んでいたのだが、家賃が半年ごとに数パーセント上がるような状況だった。

思いきって自宅を210000米ドルで買ってローンを払って3年ほど住んだが、日本帰国に伴い280000米ドルで売却した。

その差額は、払った家賃以上にお釣りがくるものであり、現在日本で所有している自宅を購入する際には頭金の一部になった。

米国における不動産投資がすべて上手くいく保証は何もないが、適切な物件を適切な価格で買うならば、まだまだ人口も増えている国で法律や制度によって不動産所有者の権利がきちんと保護されているので、日本の不動産に投資するのと遜色ないほど安全な投資と言える。