2019年5月24日付の日本経済新聞を読んだ。
記事の題名は「調達100億円 夢の終わり」。自動衣類畳み機械を開発していたセブン・ドリーマーズが経営破綻したという話だ。
2015年に、ランドロイドという製品を家電見本市場に出展して注目を集めた。日本の大手企業数社から60億円を資金調達。試作機を作り開発を進めようとしたが、なかなか市場で通用する製品にはならなかった。
アイデアや新しい技術で業界や市場を一変させるという思いを抱き大手企業から資金を集めようとする起業家、そして社内ではそのような夢を持ってリスクを背負えない経営陣やマネージャーを抱える大手企業。そのような両者が一緒になって新規事業に乗り出す訳だ。
当然のことだが、起業家は企業を経営した経験がない人が多い。大手企業は出資はしても起業家の自由な発想を妨げまいとするのか、経営にあまり関与しようとしない。
実は起業家が成功するには、起業家がカリスマ的な発想力、開発力、指導力を駆使するということが必要な訳ではない。
さまざまな成功した起業家の話を読むと、やはりその起業家を強力にサポートする人々がいるということが少なくとも必要条件になっていることが分かる。
その必要条件を満たすためには、起業家もサポートしてくれる人々に耳を傾けることが必要になる。
経営上の重要な意思決定には、やはり資金を出すベンチャーキャピタルや事業会社が関与すべきだ。そういう仕組みをきちんと回せるコーポレートガバナンスは、株式上場している大企業のみならず、非公開のスタートアップ企業でも必要だ。