雇われて会社で働く多くの人々にとって、会社を辞めて起業することは、未知のことだと思う。
起業すると収入が少なくなるとか、安定しないのではないか、などといった思いがよぎる。会社の業績が変動しても、会社員として変動しない給与を毎月もらえるということは、気持ち的に楽だ。
私もこれまで30年近く、会社に雇われて働いてきた訳で、直近まで勤務したスタートアップ企業ですら、雇われて給与をもらう身分だった。
スタートアップ企業で経営幹部として働いて思ったのは、事業にはさまざまな不確定要素があり、リスクがあるということだ。
すると、そのような事業環境で固定給をもらうことが不思議というか、整合性がないように思えてきた。
自分の収入というのは、間接的にせよ、直接的にせよ、自分がなんらかの価値を提供して、他人からいただくものなのだ。
雇われて働いてきた会社だって、誰かが創業しているから存在する。起業しないで、できて存在する会社はない。
そう思うと、非常に気が楽になった。