投資には、株式、債券、不動産など、さまざまなものがある。その違いについて、簡単に述べたい。
株式の場合、株価が上がれば、株式自体の価値が上がることで、いわゆるキャピタルゲイン(元本の価値が低いときに買って、元本の価値が高くなって売ることで、その差額が利益になる)が得られる。また、加えて、会社の業績がよければ、株主に対する報酬として、配当が得られる。この配当は、会社の業績や、その後の会社の事業への投資などによって、一定とは限らない。元本は保証されないし、配当も保証されないが、会社の業績次第で、上がる可能性も下がる可能性もある。場合によっては、ゼロになる可能性もある。
債券の場合、会社の借金であり、投資家からすると、金を会社に貸しているわけで、会社の業績がどのような状況であれ、それとは関係なく、元本の返済と、元本に対応する通常は一定の決まった利子を受け取る。基本、会社の業績とは関係なく、元本は保証されており、リターンである利子も約束されている。
不動産投資の場合、基本、投資家が不動産という資産を所有し、不動産を貸して賃料・家賃を得る。不動産の状況が良いのか悪いのかによって、賃料・家賃は変動し、また、不動産自体、つまり元本の価値も変動する。また、株式や債券といった、数字でしか見れない金融的な資産と違って、不動産の資産の内容は、土地であったり、建物であったり、ロケーション・所在地ということで、物理的な資産であるので一般の人にも分かりやすい。不動産に投資した場合、賃料が変動する、また修理費などのコストが発生する、などの原因で、どれぐらいのリターンがあるのか若干は変動する。しかし、長期的な元本部分を除くリターンには、株式の配当と比較すると予測しやすく、債券の利子と比較すると予測しにくい。また、長期的な元本部分のリターンについても、 株式のキャピタルゲインと比較すると予測しやすく、債券の元本返済と比較すると予測しにくいと言える。
投資の基本というのは、このようにリターンとリスク(リターンの変動のこと)の組み合わせの中で、さまざまなものに分散して投資することで、自分にとって望ましいリターンとリスクを組み立てていくことにある。株式や債券以外の投資の選択肢として、不動産というのは有効なものである。ぜひ活用したい。
次回は、不動産投資の有利な点、不利な点などを、株式や債券と比較しながら、述べたい。