2022年2月16日にBSテレ東で放映された日経モーニングプラスFTの「M&A失敗しない法則~日本電産永守流経営」を観ました。
先月、日本経済新聞出版から、永守さんは「経営とお金の原則」という本を出版されました。
永守さんはインタビューの中で、「石油ショックの時に会社を作ったが、日本経済は良くなかった。そのような中で、会社を成長させるには、自分でオーガニック(有機栽培的に自社のみで)に会社のビジネスを広げていくことに50%注力して、あとの50%はM&Aを通じて他の会社を買っていくことだ。」とおっしゃっていました。
会社を成長させるにはM&Aが必要
これまで68社買収されて、一度も失敗していないということで、その秘訣は何か、ということですが、永守さんがM&Aを成功させるために重視されているのは
買収価格(高すぎてはいけない)
だということです。つまり、買収価格が高すぎてはいけない。
特に、最初のころは、技術はあるが、赤字になっている会社を買収したそうです。
しかし、永守さんは「安く買うだけではない。買うという行為自体は買収の全体からみると20%ぐらいの作業で、買収後の自社への統合(PMI= Post Merger Integration)が80%ぐらいの作業で、しかも重要だ。」とおっしゃっています。
PMIが重要
PMIにおいては、「技術はあるが赤字の会社の場合は、経営がよくない、例えばコスト意識が開発現場にないなど、ということがあるので、そこを意識させることが重要だ。」永守さんはおっしゃっています。
また、永守さんはM&Aのために、買収したいと興味をもった対象会社には、手紙(Letter)を対象会社の経営トップに毎年送っているそうです。早めに知らせることで、いざ、相手が会社を売りたいと思ったときに、真っ先に声がかかるということらしいです。
眼を付けた買収対象(候補)会社に常にコンタクトしておく
ということです。
つぎにM&Aにあたってのポリシーについてです。永守さんは、30年といった長期間にわたって、今後成長する産業や市場に注目して、自社の強み(モーター)を中心にして成長できる分野をさがしてパズルのように埋めていくことをされているようです。
具体的には、自動車におけるモーターで大事な3つは、「止まる」「曲がる」「走る」だが、すでに「止まる」「曲がる」では日本電産は世界トップなので、いま「走る」=エンジンに代わるところに注力されているとのことです。
M&Aポリシーとして成長分野と自社の強みをしっかりと見極めて注力する
あと、ビジネススクールも運営されて、次世代経営者を育成されていますが、永守さん曰く、日本は文系出身(技術を理解していない)が経営トップになっているが、今後はアメリカのように理系出身の技術者が経営のスキルを身に着けるべきだ、とおっしゃています。
日本でもっと技術が解かる経営者を育成すべき
自社の株価が下がった時、何をすべきか。これは上場企業でないとできないと思いますが、永守さんは、やはり自社株買いをすべきだ、とおっしゃっています。そして、その自社株を、M&Aでの買収した会社の持ち株比率を100%にするために使うそうです。
最後に、永守さんは、すごい迫力をもって
日本電産の株式は、いま買い時。絶好のチャンス
と、締めくくりました。(これが言いたかったことなんですね。)
株式投資は、あくまでも自己責任でお願いいたします。