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ファイナンスとは(4)

会計、簿記について、もう一度おさらいしたい。

財務諸表は基本3つある。

  1. 貸借対照表 (Balance Sheet 略してB/S)
  2. 損益計算書 (Profit and Loss. 略してP&L。米国企業はIncome Statementと財務諸表では表示する。)
  3. キャッシュフロー計算書 (Statement of Cash Flows. 略してC/F)

簿記は、文字通り、帳簿に記帳することで経済的取引の記録を取ることである。現代の簿記は複式簿記と呼ばれる。なぜなら、一つの取引を2つの側面から説明するからだ。だいたい、取引というのは、何かを得るとそれ以外の何かを失う、もしくは何かを失うことで新たなものを得ることを指す。一方的に何かを得る、または何かを失うというのは、基本的には取引とは言わない。もちろん、そのようなことも人生起きるが、経済的取引ではそのようなことを想定していない。

簿記は経済的取引をデータとして記録する技術を主な対象とする。一方で、会計はそのようにデータを記録を取る目的・原則、そしてデータの見方・意味合い、そしてデータが経済的取引を行っている組織の状況を、過去・現在・予測できる将来を説明することまでも対象とする。

複式簿記を使う時、まず経済的取引を金額で表現する。日本円、米ドル、ユーロ。今やビットコインのような暗号資産で表現されることもあるかもしれない。そして、2つの側面から説明する。それが難しい。左側に借方(英語でDebit)、右側に貸方(英語でCredit)に2つ側面を記す。もともと簿記は銀行で使われたそうで、銀行の取引相手の観点から記録したそうだ。相手が借りたら、借方(左側)。相手が銀行に貸したら貸方(右側)。

あなたが銀行だとして、友人である顧客に1000円を貸す。すると、友人は1000円を借りることになる。したがって、これは借方である左側に、貸付金1000円と記帳する。では、貸方である右側には何を記帳する。取引とは、何かを得ると何かを失うことだ。1000円を友人に貸すことで、将来1000円を返してもらえる権利を得る、それが借方(左側)。その一方、あなたは今までもっていた1000円を失う、それが貸方(右側)。

借方(左側) 貸付金1000円 / 貸方(右側) 現金1000円

逆に別の友人が、銀行であるあなたに、1000円預ける。すると、この友人が銀行に1000円貸すことになる。したがって、貸方である右側に、預り金1000円と記帳する。借方である右側には何を記帳する。あなたは1000円という現金を得る。それが借方である左側に記帳される。一方、あなたは友人に将来1000円を返す義務を負う。それが貸方(右側)へ。

借方(左側) 現金1000円 / 貸方(右側) 預り金1000円

まずは、B/Sを理解するのが大切。企業では、現場のマネージャーは、まさにP&L脳になってしまっているわけだが、企業経営者になるためにはB/Sを理解することが必須である。

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